「ネットいじめ」が世界の話題 米など「#RIPHanaKimura」トレンド1位に
23日の木村花の訃報はプロレスファンを悲しませた。
【相次ぐ・・・悲しさと悔しさと怒り】
木村花「愛してる、楽しく長生きしてね。ごめんね」 22歳で天国へ#stardom #スターダム #木村花
あの輝きを忘れない!! ダブルドームのオープニングに舞い降りた女神
⇒https://t.co/nBz7SMDv3W pic.twitter.com/UhlJYNno1Q
— カクトウログ📶プロレス/格闘技 (@kakutolog) May 23, 2020
発見や搬送時の情報が一部明らかに。
連絡がつかないことを不審に思った母親(響子)が江東区内の自宅を訪ねる
本当につらいことだったに違いない。
木村さんが所属する団体「スターダム」のエグゼクティブ・プロデューサーのロッシー小川氏(63)によると、23日未明、木村さんと連絡がつかないことを不審に思った母親で元プロレスラーの響子さん(43)が江東区内の自宅を訪ねたところ、倒れている木村さんを発見。搬送先の病院で同日朝に死亡が確認された。
死因や動機は不明だが、自殺を図ったとみられる。近所の人の話では「朝4時ごろ、消防車が数台駆けつけ救急車に搬送される人がいた。原因は硫化水素の発生とのことだった」という。警視庁城東署も取材に「江東区で硫化水素が発生し、死者が出たという事案の取り扱いはあった」と認めた。ただ、詳細は「遺族の意向で控える」とした。
(スポニチアネックス)
関係者によりますと、木村さんは23日午前3時半過ぎ、都内の自宅マンションから心肺停止状態で救急搬送されたということです。
搬送を目撃した人「20代くらいだよね。もうぐったりしてた、顔を前にこうやって、一生懸命(救急隊員が)マッサージしてた」
搬送を目撃した人「『花、起きろー』って、一人の女性の方が叫んでましたね」
(日本テレビ系(NNN))
全力で向かったとされていたタッグパートナー・ジャングル叫女が、、、
【📳続報 スターダムOBが米国から📳】
木村花の異常をカイリとイオが国際電話 ジャングル叫女が全力で向かったが・・・#stardom #スターダム #木村花
カイリ・セイン「時差でアメリカは昼過ぎだったから(日本は夜中)彼女のツイートに気付くことができて・・・」
⇒https://t.co/xWMh02qqyI pic.twitter.com/sodCoGU3fN
— カクトウログ📶プロレス/格闘技 (@kakutolog) May 23, 2020
訃報後にTwitterを初更新。
数ヶ月できる限り花のそばにいました
辛かったね、苦しかったね、
私も一緒に闘った
少しでも命繋げられたかな
最期も声を掛け続けました…
無念でなりません。
綺麗な姿で送ってあげるからね
花の魂が安らいでいきますように
帰り道に見た今年の桜、、忘れないよ
来年はもっと綺麗な花が咲くのかな🌸 pic.twitter.com/GLpWFHQCXn— ジャングル叫女 Jungle Kyona (@junglekyona) 2020年5月24日
「最期も声を掛け続けた」とのこと。『花、起きろー』が母親だったのか叫女だったのかはわからないが、駆け寄った顔ぶれで懸命に声をかけた。
一夜明けても日本のTwitterでは「誹謗中傷」がトレンド。ネットの書き込みに対しては母親が言い返す局面もあった。
昨年9月の第20回配信から木村さんは「テラスハウス」に入居した。ネット上で木村さんに対するアンチが増え始めたのは今年1月配信の第31回。番組内で交際を断られた相手の陰口を叩いたことからだった。それが一気にヒートアップしたのが「コスチューム事件」と言われた第38回以降だ。
同番組は共同生活する男女6人の人間関係に密着するもの。3月31日配信の番組(第38回)では、大切な試合用のコスチュームを間違って洗濯し縮ませた男性出演者に木村さんが激怒。その男性がかぶっていた帽子をはね飛ばすなどした。
ネット上では「こんな凶暴な子イヤだ~。プロレスラーの人って実際もこうなんだ」「夢見る前に自分見直したら?」など辛らつなコメントが並んだ。コスチューム事件の当事者である男性が謝罪し退居した後も「おまえの都合で話進めてんじゃねえよ」「一生黒歴史背負って生きなきゃいけなくなりましたね」など収まらず、母・響子さんのアカウントにまで波及。木村さんによれば、誹謗中傷は1日100件ペースで最近まで続いていたという。
木村さんの訃報を受けて、それらアンチと呼ばれる投稿者にも批判が向き、アカウントが次々と削除される事態に。一方で、「木村花さんが死んでくれて祝杯」という心ない動画をアップする投稿者も現れ、こちらも批判の的となっている。
(スポニチアネックス)
最終的に本人の命が奪われた。書かれているように、誹謗中傷の書き手がアカウントを消すことで“逃げている”ことも悔しさを冗長させている。
アメリカ、カナダ、フランス、オーストラリアでTwitterトレンド1位
世界では「ネットいじめ」という話題として広がった。アメリカ、カナダ、フランス、オーストラリアでTwitterトレンド1位となり、他国でも上位となった。
英のBBCは、「Netflixのリアリティーショー『テラスハウス』の最新シリーズに出演した日本人プロレスラーの木村花さんが22歳で死去した。木村さんが所属する団体のスターダムは(死亡の)ニュースを認め、ファンに気遣いを求めた。死因は直ちには明らかにされなかった」と伝えた。
記事は、「彼女が死去する少し前、彼女はネットいじめにあっていたと言及する一連のソーシャルメディア投稿をしていた」と紹介。
「最も新しく更新された金曜日の彼女のインスタグラムストーリーでは『さようなら』の文字とともに、猫と写った写真を載せていた」と続けた。
さらに、「懸念は、金曜日、木村さんがツイッターでメッセージと一緒に自傷イメージを投稿したことが報じられた後に膨らんだ。木村さんは日常的にファンからの何百という卑劣なツイートや批判のターゲットとされてきたと言われている。彼女の死のニュースを受けて、ファンや関係者は、ネットいじめやメンタルヘルスの影響を痛烈に非難した」とも報じた。(中略)
米のニューヨーク・デイリーニュース紙も「日本の女子プロレスリングで人気急上昇中のスター選手で、Netflixの『テラスハウス』出演者6人の1人だった木村花さんが死去した。22歳だった」と報じた。
記事は、「死因は明らかにされなかったが、ファンの一部や業界専門家たちは彼女が最近に直面したネットいじめのいくつかの例を指摘している」と指摘。前述のパシッティ氏の「木村花さんの死は悲劇だ」などのツイートを紹介した。
また記事は「木村さんは日本で広く知られた女子プロレスラーの木村響子さんの娘で、2016年にレスリングを始めた」など、そのキャリアや「スターダム」での活躍ぶりにも触れている。
米経済紙のフォーブス誌も「『スターダム』のレスラー、木村花さんが22歳で死去したことが報じられた。身も凍るような記憶とともにプロレス界はひどく痛ましい一週間を終えた」と木村さんの死を伝えた。
記事は、「木村さんは自傷行為で手首を切っている写真など不安を感じさせる一連のツイートを投稿していた。スター選手である木村さんの命に危機が迫っていると見られていた」と死因を推測。
「木村さんは、日々、何百というファンからの卑劣なツイートや批判の被害者となっていた」とも伝えた。記事は、「木村さんの死は、ソーシャルメディアにおける人々の行動について、特にスポーツ、ポップカルチャーやエンターテインメントといったコーナーの中で、ファンの間で最も毒のある過激なインターネット・レスリングコミュニティーで必要とされている議論を引き起こすだろう」と問題提起。
その上で、「悲しいことに、ネットいじめに関する形ばかりのメッセージは24時間のニュースサイクルの間で消えてしまうだろう。だが、それ以上に木村さんの人生には意味がある」「世界中のファンやレスラーたちは、この人気スター選手を褒め称える追悼を投稿している」とも伝え、木村さんの死を悼んだ。(THE PAGE)
ネットによる誹謗中傷というと、一昔前であれば掲示板への書き込みだった。それがSNSへと移行した感がある。
単なるプロレスラーの死にとどまらず、「ネットいじめ」の社会問題として世界中の人々が関心を寄せた。まさにネット社会のこれからが問われている。
約8年前からプロレスラーTwitterが本格化 選手との距離がグッと縮まった半面で・・・
最大手の新日本プロレスにおいて2012年4月、ブシロードが親会社となったことで全社的にTwitterに取り組むこと、選手もTwitterを始めることが推奨された。日本のプロレス界にとっては、ここがひとつの転換点だろう。
他業界もそうだが「昔なら雲の上だった人に実際に会える」ということが近年は色濃くなってきた。イベントやグッズ販売、SNSをうまく利用すれば、選手にとってはプロデュースやファンサービスになる。ファンからの距離は近くなった半面、「攻撃」がしやすくなった。
何も思ってないだろうな。本人に自覚がない。これが1番の問題だ。ただこれは自分にも言える事で気付かないうちに誰かを傷付けた事もあったかもしれない。改めて人と寄り添う心を持ちたいものだ。 https://t.co/FPJUjubsro
— KENTA aka Lil’K (@KENTAG2S) 2020年5月24日
自身に攻撃している意識がなく、逆に正義感を伴っているくらいのことが多いのだ。これがこの問題をややこしくしているし、根深いところ。これを乗り越えて、多くの人が口にしているように、相手の気持ちに立って発信をしなければいけない。
覆った悲しみが拭えないが、悲劇が2度と起きないように私たちにできることはあるだろうか。これまで以上に自主警察的な動きは強まるだろうが、監視が進化すること、法が整備されること、意識が変わっていくこと・・・多方面で取り組まなければいけないし、ボクも伝えていきたいと思います。