今度は失敗せず 永遠の夢追い人・猪木が永久電機以来19年ぶり公開実験成功
10月31日、アントニオ猪木が横浜で水プラズマの公開実験を行い、鉄の棒の半分を5秒で消滅させて成功した。
二酸化炭素を出さず瞬時に廃棄物消滅 猪木「世界のごみをきれいに」
「水プラズマ」技術を使えば二酸化炭素を出さず瞬時に廃棄物を消滅させることかできる。
アントニオ猪木氏「水プラズマ」公開実験に成功!「これは100点でしょう。ムッフフ…」 #アントニオ猪木https://t.co/7uWAx5mMKK
— 東スポ プロレス格闘技担当 (@tospo_battle) October 31, 2020
元参院議員で元プロレスラーのアントニオ猪木氏(77)が31日、横浜市のみなとみらいエリア日本丸メモリアルパークで水プラズマの初の公開実験を行った。
猪木氏は、昨年から世界的に問題になっている環境汚染への対策として「水プラズマ」を使った廃棄物処理の実現へ動いている。通常、ゴミ処理は、燃やすと二酸化炭素が発生し環境汚染につながるが温度が1万度以上にも達する水プラズマを使えば、瞬時にゴミは消滅し水素に変化し環境面においてさまざまな応用が期待されている。
猪木氏は、九州大学の渡辺隆行教授との水プラズマ実験トラック(INOKI Lab号)で実験を公開した。長さ80センチの鉄がわずか5秒で半分ほど消滅し実験は成功し「100点です」と胸を張った。
(スポーツ報知)
水プラズマを使えば、全国各地の焼却炉に代わる“瞬間的なごみの処理”や、新型コロナウイルスで問題化している医療廃棄物の安全な処理が可能になる。
さらに、猪木氏は世界進出を宣言。
「1つにはフィリピンにあるスモーキーマウンテン。何十年前に行った時に、なんだこれはと。そこで子どもたちが遊んでね。フィリピンではごみは燃やしてはいけない法律があるので、燃やさないで、次の捨て場を探している。そこにプラズマを使って。できれば年内、来年早々にもそこがモデルになって、世界に発信できれば、と考えています」と話し、フィリピンを手始めに、世界のごみ問題の解決を目指す考えを明かした。
(中略)
猪木氏は「もうちょっと小型化できれば。家庭に持ち込むのは難しいでしょうから、地域に1台とか2台という形になれば。みんなが笑えるようにね」と続けた。
「もうお迎えが来ると思ったら、水プラズマに出会って、世界のごみをきれいにしようと頑張っています」
(ENCOUNT)
猪木「もうお迎えが来ると思ったら、水プラズマに出会って、世界のごみをきれいにしようと頑張っています」。
トラックまるごと装置なので、猪木が小型化を課題にしている。しかし、地域に設置できれば全く問題ないだろう。あとはコストと安全性。核廃棄物と重大事故可能性を伴う原子力発電のようなことが当然あってはならず、しっかりとした安心も複数識者によってアナウンスされると信用度が増す。
猪木による事業 アントンハイセル、永久電機、猪木酒場・・・失敗の歴史まとめ
猪木による事業は失敗の歴史でもある。
▼アントン・トレーディング
1970年代に設立され、マテ茶やスペアリブ、アントンナッツ(ひまわりのタネ)というブラジルの物産販売を行う。タバスコの代理店契約も行い、猪木が日本でのタバスコの知名度を飛躍的に上げた。その後の「激辛ブーム」到来により順風かと思いきや、別件負債の充当のために早々に契約解除していた猪木は涙を飲む結果に。
▼アントン・フーズ
アントン・リブ(スペアリブ)料理を扱う六本木レストランチェーンを行う。アントン・トレーディング社輸入の食品・食材を販売。
▼アントン・ハイセル
1980年にブラジル政府を巻き込んで「アントン・ハイセル」を設立した。石油に代わって、ブラジルでの豊富な収穫があるサトウキビから精製したアルコールをエネルギー源として使用するという構想。サトウキビの絞りカス(バカス)は、埋めると土質悪化、牛に食べさせると下痢をすることが課題に。当時の妻の倍賞美津子さん友人の知人から「バカスの中に含まれる下痢の元となるリグニンという物質を食べる細菌がある」と聞いた猪木が、アントン・ハイセルとして事業化した。バカスを食べた牛の糞がそのまま農業の有機肥料にもなるとの算段だった。
細菌の生成には試行錯誤してしまい、林原生物化学研究所の協力によって整ったとされるが、ブラジル経済の急速な悪化による資金難で頓挫した。猪木は数十億の借金を背負ったとされる。一部に佐川急便の初代社長・佐川清氏から肩代わりを得る。しかし、この事業に新日本プロレスの資金が投入され、嫌気がさしたレスラーたちのクーデターや退団につながっていった。
▼永久電機(永久電気、永久機関)
“これが実現すれば石炭も石油も不要となり、エネルギー問題など発生しない”という夢の発明。2002年3月12日。永久電気「Inoki Natural power-VI」の開発記念記者会見がホテルオークラで行われる。スイッチを入れるも電光板が点灯せず失敗に。猪木は「午前中は動いていたんですけどね」。
なお、2008年2月2日の『イノキゲノム旗揚シリーズDVD-BOX』発売記念トークショーでは、猪木が「昨日ついに(永久電機が)完成にこぎつけたというか。今まで疑ってきた世間の皆さんには『ざまーみろ!!』と言いたいですね。私は常に時代の先を行ってますから“時代に早漏”なんて言われるんですけどね。ダッハハハハ!」とコメント。すべてのメディアが黙殺した中でオリコンだけが取り上げる謎展開があった。
▼アントニオ猪木酒場
2006年に池袋店からスタート。かつては仙台から沖縄まで7店舗を展開していた。最後の店舗・新宿店は新型コロナの打撃を受けて2020年7月31日をもって閉店。
【✊さよならだけが人生か✊】
アントニオ猪木酒場新宿店が7月閉店 かつては仙台から沖縄まで7店舗展開#アントニオ猪木酒場 #アントニオ猪木
この雰囲気はクセになるっ!! 猪木来店含む📸写真10枚で振り返る新宿店
⇒https://t.co/DwxLU6jGob pic.twitter.com/ZAr2OtVaf3
— カクトウログ📶プロレス/格闘技 (@kakutolog) July 16, 2020
“公開実験”つながりでいえば、水プラズマは永久電機以来19年ぶり公開実験となり、今度ばかりは成功した。ただし、実用化にはまだまだ道のりが必要だろう。
騙されることと夢は紙一重!? 猪木「詐欺師ほどおもしろくて夢を与えてくれる人間はいない」
節目節目で“騙された”との認識を持つ猪木であるが、このようなスピリットがあることでファンを心配もさせる。
「詐欺師ほどおもしろくて夢を与えてくれる人間はいない」KAMINOGE vol.94のカバーはコレだ! #KAMINOGE #アントニオ猪木 pic.twitter.com/RWi5TNtGWb
— 金井久幸 (@ka_nai) October 23, 2019
永遠の夢追い人、猪木は何を思う?
その波乱万丈の半生のなかでも、事業失敗での借金、糖尿病の発症、そして離婚が連なった80年代の一時期には「自殺しよう、死ねばいいと思うほど追い詰められていた」と猪木さんは振り返る。このとき自死から踏み止まらせたものは、何だったのだろうか。
「人生、一度や二度は『死にたい』『死のう』と誰でも思うのではないか。現実の苦しみに疲れ果てていた私は、借金や人間関係などの煩わしいことから逃げたかった。しかし、死ぬエネルギーがあるのなら、まだ生きられる。どうせ死ぬなら、私らしく『闘って死にたい』と思い至ったんです」
その境地が87年10月、故・マサ斎藤さん(享年75)との“巌流島の決闘”に猪木さんを向かわせた。無観客の下関市船島で2時間5分にわたる死闘を繰り広げ、最後に勝ち名乗りを受けた。猪木さんが導き出した「生きること」とは「つねに何かと闘っていること」だったのだ。
「私の同級生が先日、コロナに罹って亡くなった。『死』というキーワードを私が出すと驚かれますが、マイナスな表現ではなく『死と向き合って生きること』こそ、今後は大切になってくると思う」
では現時点から、何を目的に、何に燃えて、生きていこうというのだろうか。
「目下の目的として、環境、汚染問題の分野で進行させているプロジェクトがあります。コロナが落ち着いたら、本格始動させたい。猪木の人生、道半ば。まだまだ勉強させてもらわなければなりません。それに、1錠4万4千円する薬を、毎日4錠飲まなければいけない。幸いに(心アミロイドーシスは)難病指定されましたが、年間の薬代だけで数千万円です。働かなきゃしょうがないなあと」
どうやら猪木さんの道は、まだまだ真っすぐ続いていくようだ。
「お迎えが来たら、潔く旅立とうとは思っているんですが……年を取ろうが、体が弱くなろうが、チャレンジし続けることこそ人生。それが“燃える闘魂”なんです」
(100万人に数人の難病…アントニオ猪木が語る「闘って死にたい」(女性自身))
2019年に奥さんを亡くしたが、まだまだ猪木はエネルギッシュ。この男にとってはどこまでもがリングであり、常に時間無制限一本勝負なのか。騙されることと夢の間の“紙一重”を猪木は生き続けている。