ウルフアロン「意味がちょっと」ドラゴンリングイン敢行も境地に至らず
藤波辰爾が6日、自身のデビュー55周年記念大会で東京五輪柔道金メダリストから転身のウルフアロンと初対決を果たした。先発した両者はロックアップからのさぐりあいとなるが、藤波が投げで先制。一方のウルフは「足を持たれた状態から出せる柔道技ってなると、巴投げがいちばん理にかなっている」と考え、ドラゴンスクリューを巴投げで切り返す柔道殺法だ。
ドラゴンスクリューには「いや、足が取れるかと思いました」藤波辰爾72歳を味わい尽くす
ウルフはコーナーから上がって降下するだけの藤波ムーヴ、ドラゴンリングインにもトライ。「藤波さんがドラゴンリングインをするうえで何かしら意味があると思っているので、その意味を確かめるために飛んだ」としたが「待っていたのは(ザックの)足でした」と困惑。「意味がちょっとわかってないので。そこをもう1回確かめる」と、72歳のドラゴンの境地には達していない様子。
それでもウルフは終盤、ドラゴンスクリューを食らい「いや、足が取れるかと思いました」。最後にはドラゴンスリーパーで捕獲されてしまう。藤波辰爾を味わい尽くすことで、「僕はまだ30で、藤波さんの歳まであと42年間あると考えたときに、道は果てしない」と気を引き締めている。
セキチューpresents TATSUMI FUJINAMI 55th CELEBRATION DRAGON EXPO 2026
日時:11月6日(金)18:30
会場:東京・後楽園ホール 観衆1351人(主催者発表)
[全試合リアルタイム速報]
<メインイベント/タッグマッチ/60分1本勝負>
〜藤波辰爾デビュー55周年記念試合〜
藤波辰爾&○ザック・セイバーJr.(新日本プロレス)
18分4秒、変形卍固め
ウルフアロン(新日本プロレス)&●松本達哉(新日本プロレス)
一度は藤波のドラゴンスクリューを巴投げで切り返したウルフ。試合途中ではドラゴンリングインにもトライする。しかし藤波の足4の字固めには苦しみ、チームが入り乱れた場面では、ついに藤波のドラゴンスクリューの餌食に。
他団体メインでもザックらしさは全開。松本が料理されるかと思われたが、持てる力を振り絞りザックを揺さぶる。新日本同士のクオリティが後楽園を沸かせた。
それでもザックの変形卍固めと藤波のドラゴンスリーパーが合体すると、松本は逃げられずギブアップ。藤波は55周年記念試合を勝利で飾っている。



(マイク)
藤波「ウルフ、ありがとう(握手)。ちょっと見栄を張ってウルフアロンに挑んでみたけど、どうやって(ドラゴンスクリュー狙いを巴投げで返され)回ったかわかんないんだけど、気がついたら飛んでました。本当にありがとうございました。55年もやるとこんなにいいこともあるんですよね。これからもドラディションは“何をやるかわからない”いろんな闘いをこれから繰り広げていきます。どうぞこれからもプロレスを愛して長く見続けてください。ありがとうございました」


(バックステージ)

松本「去年デビューして、まさかこんなウルフとプライベート、公私ともに仲がいいと思ったら、こんなレジェンドと、しかもザック。試合が組まれたわけで。僕はやるからには爪跡を残すというか、もちろん藤波さんから取るつもりでやっていかないといけない。全力を尽くしたんだけれども、最後はザックのあれと藤波さんのなんだ、後ろで」
ウルフ「ドラゴンスリーパー」
松本「やられた。まあしょうがないな。こういうキャリア差がある中ですごい試合に選んでいただいて、嬉しかったですね。ウルフとのタッグは予定通りにいくと当分お預けなんで。ウルフはここからワールドタッグリーグ。怪物ボルチン・オレッグと組んでやるんでね。僕はもし前哨戦、また6人タッグ組まれたら、全力でフォローするんでよろしく」
ウルフ「まだデビューして1年も経たないうちに、新日本プロレスのレジェンド、藤波さんと試合をすることができて。今回改めて、闘うってことに関しては年齢って本当に関係ないんだなって。本当に自分の気持ち次第。自分の闘いたいっていう気持ちが根本にあるのか、自分の軸がしっかりしているのか、そういうところが大事なんだなって。72歳の方と闘ったのは初めての経験だったから、それでも自分の体が動く限り、すべての力を尽くして闘って。負けてしまいましたけど、学ぶべき点が多かったと思いますし、ある意味、僕はまだ30で、藤波さんの歳まであと42年間あると考えたときに、道は果てしないなって。たくさんの選択肢、道がある中で、それでも自分が選べる道って1つしかないんですよね、現在進行系では。その1つの道っていうものを、自分自身にとって正しい選択肢にするためにも、日々積み重ねていかないといけないなって感じました。もうすぐワールドタッグリーグが始まります。僕のパートナーはもう発表されましたけど、怪物のボルチン・オレッグ選手です。もちろん僕自身、倒したい相手というところもありますけど、もともと柔道のアスリートとレスリングのトップアスリート、この2人の化学反応がどんなものになるのか。そのうえで、必ず優勝したいと思います」
藤波選手との試合で「闘魂というものを学びたい」と発言をしていたが。
ウルフ「最初のグラウンドだったりとか、僕が押さえ込みをしていく中で、少しでもそこに隙があったら『返しの手』を入れてこようという動きを感じたので、一瞬も僕自身が隙を見せれる場面がなかったんで。そういったところで、本当に試合っていうのはゴングが始まる前から、もう入場前から試合が終わるまで、すべてのところで張り詰めた気持ちを持ってないといけないというところ。そこを学びましたね。それがおそらく新日本プロレスの闘魂というところにつながっているんじゃないかと思いました」

ドラゴンスクリューを受けた。
ウルフ「いや、足が取れるかと思いました」
ドラゴンリングインを繰り出した。
ウルフ「いやいや記憶がない。ありました? 気づいたら上を向いてたんですよ。やっぱり藤波さんと闘うというところで、藤波さんがドラゴンリングインをするうえで何かしら意味があると思っているので、その意味を確かめるために飛んだんですけど、待っていたのは(ザックの)足でした」

ドラゴンスクリューを巴投げで返したのは、おそらくウルフ選手が初めて。相当研究したのか。
ウルフ「足を持たれた状態から出せる柔道技ってなると、巴投げがいちばん理にかなっているんじゃないかなと考えていたので。それを出せたっていうのはひとつ収穫だったかなと。もちろん闘魂を、魂を感じた部分がありますけど、その魂がある上に技術が乗ってくると僕は思うんで。その上の部分。しっかりと中の闘魂という芯を広げていきながら、やれることっていうのも増やしていければいいかなって思ってます」
最初のロックアップの感触は。
ウルフ「いや、力強かったですね、はい。柔道で組んだら相手の強さがわかるっていう話がありますけど、ロックアップで相手のやってきたことだったりとかを感じるところがあるので。最初のロックアップで僕が押し込んだところを、2回目のロックアップでおそらく僕が押し込んだところを利用しての巻きこみ背負いのような形だったりとか。試合の中でも、魂は燃えているけど、頭は冷静な部分。そこがすごくあるなって感じました」
19日の『TANAHASHI JAM』(後楽園ホール)で今度は同じコーナーに立つ。

ウルフ「もちろん今回学べたこともありますけど、ドラゴンリングインの意味がちょっとわかってないので。そこをもう1回確かめるってところがありますけど。でも、同じコーナーで藤波さんと闘ったことはありますし、同じコーナーだからこそ学べる部分と、対角線に立って学べるところ。間近で見て勉強させてもらえれば」
他団体のリングに上がった緊張感は。
ウルフ「ああ、いや、意外と。試合をするっていうのは、プロレスラーとしてはどこのリングで闘おうが、自分の力を出せればというところがあるので。柔道でいろんな国でいろんな会場で試合をしてきたので、観客とか違ったところはありますけど、そこは冷静にいけたんじゃないかなと思います」

ウルフアロン選手と初対決。
藤波「もうちょっとこっちからいきたかった。自分の体調がすべてだったというか、もうちょっと調整しなきゃいけないね。調整するって、いまからいつまで調整するのかわかんないけど、時折ね、自分に対して刺激を。自分の中で、常に僕よりも上に目標を持っておかないと」
投げで先手を取った。
藤波「あれもね、やっぱりちょっと自分の気の焦りか…足がひじょうにきょう…今回、追い込みすぎたかもしれない。足に効いちゃってね、途中で。本来ならもっと中に入り込んだら、もっと綺麗にね。彼もたぶんビックリして投げられたんでしょう。でも、組み合えただけでも収穫」
いずれシングルで。
藤波「そうだね。常にきょうもあそこ(ホール北側)に僕が藤波展で書いた『闘魂』と『飛龍』があったように、闘魂は猪木さんが書いたやつではないけど、そういう猪木さんの思いというのが、挑戦と好奇心というか、常に追い続けていきたいなあという。老いたくないから」

きょうLEONA選手が独り立ちをするような発言。
藤波「いいんじゃないですか。これは別に僕は彼に対して本当にもうちょっと、俺の息子として手ほどきとか、いろんなものを教え込んだほうがいいなとは思うんだけど、あんまり俺は手を加えてないです。まあ彼が自分でいろんな団体に行き、いろんなところで出稽古に行き、試合に行き。まずデビュー戦する前にイギリスに行くことも。猪木さんがそうであったように、僕は猪木さんから何も手ほどき受けてないんです。僕がリングサイドについて、猪木さんから目で盗んだ。そういう部分では、どこかで自分が猪木さんに教えられた通りに、息子にそれを与えたようとしているのかもしれない。別に褒めているわけじゃないけどね。これが一番いい練習になる。猪木さんの言う『苦しみの中から立ち上がれ』みたいなね」
ドラゴンスクリューを巴投げで投げられた。
藤波「あれはビックリした!! 何をするのかと、俺も。警戒してもう待ってるなと思ったから、こっちも自分の原型のドラゴンスクリューを…足の下で挟んでそのまま回そうと思ったの。そうしたら手を持って来たから、アレ~っと思ったら、そのまま俺が飛んでましたね。気がついたときは飛んでた」
柔道金メダリストの技は。
藤波「あのね、これは喜んじゃいけないね。本当にでもね、さすが切り返しっていうか。きょうは自分が背負い投げだけはどこかで警戒していたでしょう。でも、柔道だからすべてのいろんな投げを知っているし、あれはもう本当に自然と出たんだろうね。いや、ビックリしました」
これからウルフ選手が藤波さんのように新日本プロレスのトップに立つためには何が必要かアドバイスは。
藤波「アドバイス…これはもう、僕らが経験していないことを彼を経験して来て入ってるし、自分の育ったところの柔道というのは絶対にベースにあるわけだから。われわれとはまったく入り方が違うんでね。変にそこで自分が変えようとか、何かやろうとはちょっと…学ぶことはいいよ。彼自身がウルフアロンとしての独自のスタイルになってくるから。これから細かいね、ザック・セイバーとのああいう絡みをやっていけば」

パートナーのザック・セイバーJr.選手は。
藤波「なんかね、うらやましいね。俺ときょうパートナーだったけど、彼とはやっぱり相対したいね。ウルフアロンと松本くんとやっている姿を見ると、俺も反対側、あっち側に立ってやりたいような気分だったね。すごいいい選手がいっぱいいる、新日本プロレスは」
7人体制になったが、来年以降のドラディションは。
藤波「どういう選手と俺がやればいい、自分がどういう選手を求めてるのかなというのは、本当になんていうのかな…迫ってこないと。自分が頭で抱え込まないと、いいアイディアがなかなか湧いてこないし。今回も先々月ぐらい、短時間で今回のいろんなものが決まったんで。手だけは抜かないで、ファンの方がこれだけドラディションを観に来てくれる。本当にうちしかできない大会を、とにかく『プロレスファンでよかったよ』という声を絶やさないように。つねに頭を柔らかくして」
来月73歳です。これからの目標は。
藤波「そうですね。自分が常に付け焼き刃っていうか、いろんなことをやっているから、なかなか自分は本当に調整ができなくて。もっと自分を突き放さないで、もっと自分から、もっと自分自身を知るべきだね。ちょっとなんか昔、自分がやってきたものを、自信過剰じゃないんだけど、もうちょっと汗をしっかりかいて、調整しなきゃいけないね。今回本当によくわかった、自分の中でね。やっぱり正直に、そのリング上に自分の今の体調が出るなって。72歳の反省です」





















