桜井麻衣「狂気と情念を引き継ぐ」 白ベルトにはジュリア・中野たむの系譜
インタビューに際してリクエストしていたのは、関わりの深い“5人”への思い。回答の中身そのものが桜井麻衣のリアルタイムだからだ。ところが実際に聞くと、想像以上の事態となってしまう。思いの言語化に力が込められ、ストレートな言葉が止まらないのだ。まるで“仮面”を取ったかのようだった貴婦人インタビュー後編。
(9月28日、水道橋デポマートでの『写真集フォトリブレ81』発売記念サイン会後に収録)
桜井は、マリーゴールド10・26両国国技館大会でビクトリア弓月を挑戦者に迎え、UN王座7度目の防衛戦に臨む。防衛ロードへの揺るがぬ意志を抱きつつ、この日のサイン会ではファンからの応援パワーを得ていた。
関わりの深い“5人”前編
:青野未来・ビクトリア弓月・MIRAI
[仮面を取った貴婦人 桜井麻衣にとっての青野未来・ビクトリア弓月・MIRAI]
関わりの深い“5人”後編
:ジュリア・中野たむ
ジュリアへの思い WWEでの活躍はまったく不思議じゃない。これだけプロレスのことを考えて、熱心だから
カクトウログ 最近、ジュリア選手とはやりとりされてるんですか。
桜井麻衣 DREAM✴STAR GPが開幕するちょっと前に、写真が送られてきました。私、スターウォーズが好きなんですけど今、コカコーラが全部スターウォーズのキャラクターになってるんですよ。
もう見つけた?#コカコーラスターウォーズコラボ
限定デザイン製品が浮く!特設売場を設置中✨@starwarsjapan設置期間:9/1~順次 pic.twitter.com/vgxnBU5YY8
— コカ・コーラ (@CocaColaJapan) September 4, 2025
桜井 日本よりアメリカの方が先に発売されてて、ちょうどジュリアさんの飲んでたコーラの絵柄がダース・ベイダーで。その写メが送られて来ました。私、ダース・ベイダーが大好きなんですよ。そういうやさしいところ、ジュリアさんぽいと思いました。
カク どうですか、ジュリア選手がいなくなったマリーゴールド。
桜井 そのぶんいろんな選手が入ってきたりとかして入れ替わりがすごい激しい。ジュリアさんがいたことがすごい昔のような気がしてて。もうマリーゴールドはそれで回ってる感じはしますよね。ジュリアさんはもうWWEの選手ってイメージがあるので。ちょっとまた別世界の人って感じは今ありますよ。
カク その活躍は聞いててすげえなって感じですか。
桜井 本当にすごいんですけど、でも一緒にいたときから思ってたんですけど、ジュリアさんだったら絶対そこまで行けると思ってたし。不思議じゃないっていうか、一緒にいたときのジュリアさんを知ってるので、これだけプロレスのこと考えて、これだけプロレスに熱心な人だし、もう『だろうな』って感じですよね。あと運が強い人。持ってる人っているじゃないですか。めっちゃ運がいい人なんで、絶対上手くいくと思ってました。
カク そのジュリア選手のイズムは自分の中に息づいてる感じはあるんでしょうか。
桜井 やっぱり一緒にいてよくプロレスの話をしたり教えてもらった部分はあるので、プロレスのことを考えてる時間は圧倒的に多くなりました。例えばタイトルマッチとか大きな試合が控えてると、その1、2か月くらい前からその試合のモードに入ってしまうので、大きな試合が終わるまではそこに集中します。なので一つの試合に対しての思いの強さとかは受け継いでる部分は大きいのかなって思ってます。あとこれはファンの方からよく言われるんですけど、タイトルマッチとかの入場した瞬間の殺気や、試合中の狂気的な瞬間がジュリアさんみたいだと言われたりします。コピーになるつもりはないし、私は私なので意識してるつもりはないんですけど、自然と受け継いでるところがあるんだと思います。


カク ジュリア選手がいなくなるとわかったときに『いなくなっちゃうんだ』みたいな、ショックなところはあったんですか。
桜井 それは若手のときに思ったことはありました。まわりの選手から『よく毎日あんな厳しい練習できるね』っていうくらいのものだったんですけど、当時の自分は『今こうやって一緒にマンツーマンで練習見ていただいてる時間って貴重だし、いつまでも見ていただけるわけじゃない』ってそのときから思ってたんで。ありがたかったし、厳しいけど充実感もあったし楽しかったので、この時間がずっと続いていてほしいと思って。でも、いつか一緒にできなくなるときは来ちゃうんじゃないのかなって、どっかで思ってたんで。そのときは離れ離れになるとかそういうことではなく、いつまでも自分が若手ではいられないし、ジュリアさんも自分の目標があるだろうし、時が経ったら自分自身でやっていかなければいけないと思っていたので。
カク そうでしたか。
桜井 なのでWWEの話を聞いたときに『そういう日が来ちゃったんだな』っていう・・・悲しい思いはあったんですけど。でも、感傷的に浸るよりかは、自分はマリーゴールドで新しい人間関係を築き上げていこうって前向きに思いました。
カク 大人じゃないですか。
桜井 大人ですけど(笑)。
カク でもやっぱり(スターダム時代の)ドンナデルモンドにいらっしゃったときは“軍隊的な特訓”みたいな言われ方をされてましたけど、あのときのベースが今につながってるところがありますか。
桜井 あると思います。この間、ひめかさんと対談させてもらったときも、ひめかさんが『あのときの軍隊みたいな練習があったからこそ今の麻衣ちゃんがあるよね』って言ってくださって。練習中、吐いてる人もいました。それくらい辛くて逃げ出したいほどの過酷な練習を1回味わうと、やっぱり気持ちも強くなる。練習の前日から翌日の練習のことを考えると胃が痛くなる、肉体的にも精神的にもキツいトレーニングでした。途中から来なくなる若手もいましたけど、それでも自分は逃げずにやる。差をつけてやる…って思いがありました。あのとき逃げずにやった人とやってない人とは、結果としてもハッキリ出てるのかなって今では思います。だから試合中に何が起こっても怖くないっていうか、練習の方が厳しかったので。なので、この過酷な練習を味わったことのないやつに負けたくない。そういう気持ちはあります。
カク サンダーロック対決をたぐり寄せた岩谷麻優選手ばりに、いつかジュリア選手との対決をたぐり寄せたい気持ちもあるのでしょうか。
桜井 それは…ありますし、本当にそれが叶ったらすごいことだよなって。お客さんが見たいって思ってくれるように、自分も日本で頑張って、もっと上を目指していかなきゃいけないと思います。
中野たむへの思い 心折れずにやってこれた…たむさんの言葉があったからなのかなって
カク 中野たむ選手が4月に引退となりました。
桜井 記者さんを介して、たむさんから『桜井さんの話、出てきますよ』って言われて。そこで初めて『いまだに思ってくれてた、嬉しい』って思いました。私はたむさんのこと思ってたんですけど、もう(中野たむが率いたCOSMIC ANGELSという)ユニットを抜けている身なので。ユニットを抜けて傷つけてしまったし、スターダムも退団してるし、私から『たむさん、たむさん』っていうのは違うのかなと思ってて。


カク (聞き入る)
桜井 でも自分の中では恩もあったし、たむさんから言われた『選んだ道を絶対に正解してね』って言葉があって。マリーゴールド来たときに、挫折っていうか、すごいしんどい時期があったんですよね。もう辞めたいぐらい。人の前に出るのが恐怖症になるくらい。でもたむさんからの言葉ってずっと残ってて、ここで辞めたら正解にできない。自分で選んだ道で挫折して終わるなんて絶対イヤだって思って。外部からも『スターダムやめて不正解だった』とか言われたくもない。絶対正解にしたいっていうのがあったから、私の情念というか執念みたいなものでUNのベルトまで辿り着けたと思ってるんですよね。心折れずに諦めないでやってこれたのって、たむさんの言葉があったからなのかなって。
カク そうだったんですね。
桜井 正解にするまで辞められないみたいな。私の中でその言葉を大切に思ってたんですけど、たむさんは私が抜けた後のコズエンのメンバーとの方が付き合いも長いと思いますし、新しいメンバーたちとの絆の方が深いと思うから、過去のことは忘れ去られてると思ってました。でも、別の記者さんと話をしたときに『たむさんは歴代のコズエンメンバーのこともちゃんと思ってるし、桜井さんのことも話題に出てきますよ』って言われたときに、自分だけたむさんに対して思いがあったんじゃなかった、一方通行というわけではなかった。そういうことを知れて嬉しかったです。
カク (聞き入る)
桜井 たむさんはどこも行く当てがない自分のことを拾って仲間にいれてくれた師匠っていうか。それなのに私は私で、何も貢献できないまま、裏切って辞めたことに後ろめたさがずっとありました。コズエンにいたときは恩を返せなかったけど、ユニットを抜けた後も自分が活躍していくことで返していきたいという思いはずっとありました。白いベルト(スターダムでのワンダー・オブ・スターダム王座)ってやっぱりジュリアさんとたむさんのイメージが強烈なので、だからこそマリーゴールドで白いベルト(ユナイテッド・ナショナル選手権)を獲ることに対して誰よりも強い思いがありました。ジュリアさんとたむさんは自分にとって偉大な人なので。その2人の元にいた私は恵まれてたと思うんですよ。そんな贅沢な人っていないと思うんです、他に。2人のもとにいたからこそ、もっともっと活躍したい。誇りに思ってもらえるようなことを成し遂げたいって思うんですよね。2人に恩があるからこそ。
カク 上谷沙弥選手と引退を懸けて横浜アリーナ(スターダム、4月)で闘い、敗れて現役が最後になりました。その迎え方については。
桜井 たむさんらしくてカッコいいなって思いましたよ。潔いというか、いやあ!! 最後までカッコイイなと。自分は、ジュリアさんと出会ったからこそ『狂気』な部分を引き継いでるし、たむさんと出会ったからこそ『情念』のプロレスを受け継いでると思ってるんですよ。狂気と情念を持ってる、間近で吸収して引き継いでいるレスラーって他にいないじゃないですか。そこに自分らしさをプラスして唯一無二のレスラーになっていきたいなと。
カク はい。
桜井 さきほどの“スターウォーズ”つながりで話をすると、ダース・ベイダーって元々はヒーローだった人が闇落ちして悪に染まってしまうじゃないですか。でも、最後に息子を助けて“善の心が残ってた”という感動シーンがあるんです。その二面性がダース・ベイダーであるように、私の深いところに宿ったものこそが桜井麻衣オリジナルをつくると思うんで。
カク 長時間、ありがとうございました。そういえば、今回は“貴婦人口調”がなかったですね。
桜井 お、おだまり!! 庶民にも伝わる言葉にしたのよ、感謝しなさい。内容は気高いものばかりだから、しっかり全国の庶民に私のメッセージを届かせるのよ。そうしないと両国以降は取材拒否だから。
カク お許しを~(泣)。
(全対戦カード&試合順)マリーゴールド Marigold GRAND DESTINY2025 10月26日(日)両国国技館
越野SYOKO.(こしの・しょうこ)がマリーゴールドに新たに入団となる。歌手、マルチタレントとしての経歴あり。「夢を叶えるとき。見ていてください!!」

■マリーゴールド Marigold GRAND DESTINY2025
日時:10月26日(日)14:30
会場:東京・両国国技館
PPVチケット料金
UNIVERSE会員価格:4,000円(税込)
無料会員価格:5,000円(税込)
https://www.wrestle-universe.com/ja/lives/ddLPiskNP8SDHcifB8b5WR?utm
<第1試合/二世showdown>
田中きずなwith府川唯未 vs 心希with大向美智子

<第2試合/ガントレッド・タッグマッチ>
出場チーム…石川奈青&ハミングバード、勇気みなみ&橘渚、南小桃&山﨑裕花、ちゃんよた&山中絵里奈、野崎渚&瀬戸レア、越野SYOKO.&当日発表
※通常のタッグマッチで勝ち残りルールで最後まで勝ち抜いたチームの勝利となる。通常のプロレスルールに加えオーバー・ザ・トップロープを採用。出場順は入場テーマ曲で判明します。

<第3試合/シングルマッチ>
メガトンvs 大物M

<第4試合/シングルマッチ>
後藤智香 vs 大物S

<第5試合/ツインスター選手権試合>
〈王者チーム〉川畑梨瑚&Maria vs
〈挑戦者チーム〉松井珠紗&CHIAKI
※王者チームのマゼンタは2度目の防衛戦


<第6試合/ザッツ・レスリング>
山岡聖怜 vs 橋本千紘(センダイガールズ)

<第7試合/ユナイテッド・ナショナル選手権試合>
〈王者〉桜井麻衣 vs 〈挑戦者〉ビクトリア弓月
※王者の桜井麻衣は7度目の防衛戦

<第8試合/マリーゴールド・ワールド選手権試合>
〈王者〉林下詩美 vs 〈挑戦者〉青野未来
※王者の林下詩美は5度目の防衛戦

<第9試合/The Dream Destiny>
岩谷麻優 vsイヨ・スカイ(WWE)
※7年半ぶり8度目の対戦、過去はイヨが紫雷イオとして3勝2敗2引き分け


















