【特写】イヨ・スカイvs.岩谷麻優 時空も団体も越えた女子プロレス架橋
26日、マリーゴールド『Marigold GRAND DESTINY2025』両国国技館大会が行われた。
元ゴングの大川昇カメラマンより前日会見記事につづいて撮影ショットをお借りした。高校生時に大川カメラマンと出会ったイヨは4月、インスタグラムで「厳しくも愛情たっぷりに、大切に私のことを立派なSuper Starまで育ててくれた、Mentorであり間違いなく私のParentsです」と綴っている。イヨ&岩谷をサポートしている大川カメラマンだから捉えることができた2人を“至近距離”から目に焼きつけていただきたい。
(写真 ©大川昇)
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7年半ぶりサンダーロック対決…Genius of the Skyとプロレス界のアイコンがまじわる
<第9試合/The Dream Destiny>
●岩谷麻優
26分28秒、ムーンサルト・プレス→片エビ固め
〇イヨ・スカイ(WWE)
赤コーナーの岩谷が先に「INFINIT SAVIOR」で入り、青コーナーのイヨが「Tokyo Shock」でつづいた。選手コールはイヨ→岩谷の順となる。岩谷から求めた握手に、イヨが応じた。





岩谷がイヨを『お姉ちゃん』と慕う“姉妹”対決。トペスイシーダをイヨが先に放てば、岩谷がやり返す。


ドロップキックのバリエーション。岩谷が低空ドロップキックなら、イヨがスワンダイブ式のミサイルキック。


さらにイヨが場外へのムーンサルトアタック。この場面での世界一のショット。

まわりが意図したかどうか不明ながら、WWEと同様に“セコンド受けなし”で放たれる。このままイヨはスクッと立つのが通例だが、アタック後の足を2メートルほど後ろにいたマリーゴールド若手勢が日常と同様に受けにいった。若干の接触があったようだが、ヒヤリとした場面だった。団体ごとの要領の違いの影響を感じさせる。前日会見でイヨが「体力的にも怪我のリスク的にも、正直(他団体に)出ないことの方が安全ではあるんですよ」としていたが、こうしたリスクにも立ち向かっていく闘いがここにある。
会心の一撃後に、イヨが今年の定番ムーヴ『俺だ俺だ俺だ』。

岩谷がドラゴンズ・レイ(フブキラナ)。岩谷が信頼している相手にしか出さない秘技だ。




気持ちをぶつけ合う打撃も心ゆくまで。イヨ「あんなに顔面蹴り抜く人いる? これか~と思って懐かしい気持ちになりました」。

WWEでは見られない連続してのスープレックスホールド。ドラゴン、ジャーマンでイヨが岩谷を突き刺す。イヨ「アメリカで 1 回もやってないじゃないですか。3連続ジャーマン。心身ともに、限界超えた試合になりました」。


岩谷、イヨがムーンサルトプレス。息をのむ美しさと破壊力。


これが世界に通用する絵力だと震えた。ムーンサルトプレスの後に、イヨが手を合わせて祈りを込める。2発目のムーンサルトプレスが繰り出された。



イヨ「麻優がここにいるから、私もここにいるんだよ」。
岩谷「イヨさんとの物語はこれからも…切っては切れない縁」。




大川カメラマンによりバックステージショットが収められた。


日本でやり切ったイヨ・スカイ(紫雷イオ)と、日本を守って来た岩谷麻優がまじわる
2018年6月17日、後楽園ホール、スターダムでの紫雷イオ(現イヨ)日本ラストマッチ。当時の当サイトはスターダムのプレスでは入っていなかったため、観客席取材となる。都合がついたことで、当日券で南側スタンド席の最終チケットをゲット。最終的に満員になったものの、WWE入り有力視選手の壮行をもってしても事前後楽園札止めが難しいのだと実感したことを覚えている。
当時のロッシー小川代表が率いたスターダムの苦しかった時期を、イヨ、宝城カイリ(カイリ・セイン)、岩谷の3人が踏ん張った。スターダムで「やり切った」感もあったイヨはさらなる頂点を求めてWWE入り。岩谷は今回の前日会見で「私は日本の女子プロレスを守ってきた」との言い回しだ。
それぞれの考える女子プロレスの守り方、発展のさせ方がある。近年でも、プロレスへの思いゆえに2023年にスターダム複数主力選手が当時小川EPに「新団体をつくってほしい」と直訴した。体制への不満が大きかったことが原因だが、スターダムは同年内の岡田太郎社長への交代で立て直す(多くの選手が様子見、残留へと舵を切る)。実際に2024年3月末での退団となったのは、直訴選手の中ではジュリアだけ。
残留・退団によりどちらかが「貫いた・裏切った」というものではない。選手にせよ関係者にせよ大いに悩んだうえで行っているのが自身の選択だ。そして選択してからもまた様々な壁にぶち当たり続けているのも、説明するまでもないだろう。それぞれの道が尊重されてよいものであるし、小川代表と岡田社長も、他団体で顔を合わせた際にはファン前であっても談話している。
WWEとマリーゴールド。状況から総じて同期しているのだろうと見られがちだが、2024年7月も2025年10月も『WWE日本公演とマリーゴールド両国大会が同月開催となった』のは偶然なのだという。同月開催となることで両大会間(2週間間隔)でイヨが帰国することなく出場したのが2024年7月。米国大会の都合で途中帰国したのが2025年10月(1週間間隔)。イヨもまたこの1年でさらに売れっ子となり(2025年4月にレッスルマニア日本人女子初勝利)、状況が変わっている。
そうした女子プロレスにあって、マリーゴールド10・26両国国技館。日頃のマリーゴールドファンに加えて、歴史を見届けようとしたファンが集結する。紫雷イオ壮行試合(サンダーロックとして臨む)から実に7年4か月。技の美しさと精度、受けっぷり、めくるめくラリー。至高の闘いを目の前にした興奮が充満する。姉妹愛とプロレス技術は時間を置いてなお深まった。
イヨは「麻優がここにいるから、私もここにいるんだよ。私と麻優に歴史、過去があるように、マリーゴールドには未来があります」(マイク)、「マリーゴールドだけじゃないですよ。スターダムにいるAZMとか渡辺桃とか、私と一緒に時を過ごしたみんなが頑張ってくれることによって、私のキャリアをつくらなくても、こうやってまた素晴らしい試合をつくり上げることができるんです」(バックステージ)と噛みしめる。
イヨと岩谷がいてスターダムかあり、マリーゴールドがある。すれ違いが当たり前の女子プロレス界なのかもしれない。そんな中で踏み切り位置から着地点へと孤を描いていくムーンサルトプレスのように、年代や出場国という時空、あるいは団体というものを越えた“架橋”を両国大会にみた。
(大会結果)マリーゴールド Marigold GRAND DESTINY2025 10月26日(日)両国国技館
■マリーゴールド Marigold GRAND DESTINY2025
日時:10月26日(日)14:30
会場:東京・両国国技館 観衆3450人(主催者発表)
<笹崎勝巳さん追悼式>
全日本女子プロレスなどでレフェリーを務めた笹崎勝巳さんの追悼式が試合前に行われる。瀬美温泉の従業員として露天風呂を清掃中のところをクマに襲われ、17日に遺体発見となった。プロレス界への貢献は多大で、マリーゴールドが最後のレフェリング。ご冥福をお祈りいたします。
<第1試合/二世showdown>
〇田中きずなwith府川唯未
6分、No.6
●心希with大向美智子
<第2試合/ガントレット・タッグマッチ>
○越野SYOKO.&ギガトン(6分、ダイビング・ボディプレス→エビ固め)野崎渚&瀬戸レア●
【退場順】
・○勇気みなみ&橘渚(2分58秒、南の風)石川奈青●&ハミングバード
・○南小桃&山﨑裕花(4分31秒、スペシャル・コモクラッチ)勇気みなみ&橘渚●
・ちゃんよた&○山中絵里奈(5分7秒、ノーザンライト・スープレックス・ホールド)南小桃&山﨑裕花●
・○野崎渚&瀬戸レア(6分42秒、ノアールランサーハイ→エビ固め)ちゃんよた&山中絵里奈●
<2026年大会日程の一部を発表>
1/3(土)大田区総合体育館
1/24(土)後楽園ホール 岩谷麻優デビュー15周年記念
5/23(土)大田区総合体育館
8/9(日)大田区総合体育館
10/24(土)両国国技館
<第3試合/シングルマッチ>
●メガトン
6分27秒、ゴッチ式パイルドライバーの体勢→ギブアップ勝ち
〇大物M(鈴木みのる)
<第4試合/シングルマッチ>
●後藤智香
11分40秒、ダイビング・ダブルフットスタンプ→片エビ固め
〇大物S(Sareee)
<第5試合/ツインスター選手権試合>
〈第5代王者チーム〉川畑梨瑚&●Maria
10分37秒、ヨーロピアン・クラッチ
〈挑戦者チーム〉〇松井珠紗&CHIAKI
※マゼンタが2度目の防衛に失敗、松井&CHIAKIが第6代王者組となる
<第6試合/ザッツ・レスリング>
●山岡聖怜
11分34秒、ラリアット→股裂き(※3カウント)
〇橋本千紘(センダイガールズ)
<第7試合/ユナイテッド・ナショナル選手権試合>
〈第2代王者〉●桜井麻衣
20分36秒、ビクトリア・サンセット→片エビ固め
〈挑戦者〉〇ビクトリア弓月
※桜井が7度目の防衛に失敗、弓月が第3代王者となる
<第8試合/マリーゴールド・ワールド選手権試合>
〈第2代王者〉●林下詩美
26分25秒、ハイジャック・ボム→片エビ固め
〈挑戦者〉〇青野未来
※林下が5度目の防衛に失敗、青野が第3代王者となる
<第9試合/The Dream Destiny>
●岩谷麻優
26分28秒、ムーンサルト・プレス→片エビ固め
〇イヨ・スカイ(WWE)
















