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ヒロム「プロレスがなくなっちまう」藤波「誤解していた部分も」熱き問答

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 22日、ドラディションが『DRADITION 2024 DRAGON EXPO 1978』後楽園ホール大会を開催した。コメント言い回しは新日本プロレス公式サイトに合わせてあります。

至高攻防をプレイバック。藤波辰爾vs.高橋ヒロム、スペシャルレフェリーは獣神サンダー・ライガー

〜メインイベント〜 60分1本勝負
●藤波辰爾
 15分44秒 TIME BOMB→片エビ固め
〇高橋ヒロム(新日本プロレス)
※スペシャルレフェリー 獣神サンダー・ライガー(新日本プロレス)

新日本プロレス歴代のジュニアの顔が並ぶ。ゴング前から壮観なリング上。

70歳であったも遠慮なくチョップを叩き込むヒロム。藤波もカラダづくりを怠っていない。

ドラゴン殺法で逆襲だ。藤波のドラゴンスクリューでヒロムの顔がゆがむ。

ヒロムを場外に残して藤波がロープに走る。ドラゴンロケット狙いだったが、藤波のダッシュも完全ではなく、ヒロムが阻止した。

ならばと足4の字固め。次々とクラシカルな技が投入され、ヒロムが苦痛に絶叫だ。

スタンドで藤波がフルネルソンの体勢へ。もうこの構えだけで尊い。ヒロムが踏ん張り、ドラゴンスープレックスにはいけず。

ヒロムちゃんボンバーからのTIME BOMBで決着。この技を70歳に仕掛けるヒロム、70歳で受ける藤波に驚きの声も。

後楽園ホール超満員1350人が堪能した「頑張っているみんなを下に下げない」プロレス

(リング上)

ヒロム「俺は藤波辰爾さんの、『いつ、どの時代のプロレスも面白い』って言ってくれたこと、それからいまこの時代、プロレスを頑張っているみんなを下に下げないで、いまこの時代のプロレスをリスペクトしてくれているところ、そんな藤波辰爾さんが大好きです(場内から拍手)。

俺だってもう若手ではないよ。俺の時代、いま俺より若手、プロレスラー関係なく若い人間、全員言われたことだと思う。『いまの時代ってラクだよな~』とか『いまのこれプロレスじゃねえよ。闘いがねえよ』とか、いろいろと言われてきました。

でも今日、藤波辰爾さんと試合をして、俺が新日本プロレスに入る前に好きだった、9受けて、10返すプロレスを体現している藤波さん、やっぱり俺が好きだった、俺が求めていた、9受けて、10返すプロレスでいままでここまで頑張ってきて正解だって、今日あらためて気づくことができました!

(場内から声援)。藤波辰爾さんのようなプロレスラー目指して、この先もジュニア、いやプロレス界を盛り上げてみせます!(場内から大歓声)。藤波辰爾さん、本日は本当にありがとうございました!

でも正直言って、藤波さんの入場ガウンを見たときに、派手すぎて負けたと思いました。でも藤波さんの、その柔軟な考え、昭和、平成、令和関係なく、プロレスというものを上に上げていくその力、最高です!ありがとうございました!(と藤波に一礼)」

藤波「高橋ヒロムは思ったより強かったな(場内から歓声)。新日ジュニアは強えーな!やっぱりジュニアで育った人間からすると嬉しいね。まだまだ新日ジュニア、捨てたもんじゃないな。正直いま高橋ヒロムがマイクを通じて言った通り、これはちょっと誤解していた部分もあるけど、これはもう一回、新日ジュニアを見る(べき)価値あるな。

本当に今回は久々のシングルマッチで無謀だと思ったんですが、なんとかいろいろな部分で大変な部分ありましたけど、本日は本当にご来場ありがとうございました。今後ともプロレスをどうぞ、よろしくお願いします!」

(バックステージ)

ヒロム「70歳なんてウソだろ?なんて力強いんだ。何度も危なかった。ウソじゃねえよ。この現役ピチピチのジュニア最強のこの俺が、本当に危なかったんだ。凄い。

リング上で言ったことがすべて。苦労してるよ、若い人間全員が苦労してるよ。上の人間にいまの時代のプロレスを否定されたら、なに信じればいいんだよ!?アンタらだけは否定しないでくれ。

じゃないと、この先のプロレスがなくなっちまう。いまの時代の人間は、アナタたちが残してきてくれたプロレスというものを必死に残そうと、必死にお金を稼ごうと頑張ってるんだ。

10年後、20年後、30年後、プロレスがあるか分からないよ。それはいまの頑張っている人間に懸かっているんだ。その頑張っている人間のことを、もっと褒めてあげてください。

いつの時代もそうだ。アナタたちのときもそうだったのかもしれない。だとしたら、同じことをしないでくれ。俺は藤波辰爾さんの、『いつの時代も、どの時代もプロレスは面白い』という言葉、最高に大好きで、最高にリスペクトができる。リスペクトさせてくれ、頼む。

藤波さんがあと10kgぐらい、たぶんいまはスーパーヘビー級に近い体重だろうから、もうあと10kgぐらい痩せてくれたら、来年の『BEST OF THE SUPER Jr.』にエントリーしてほしいぐらいの輝きを放ってるよ。あの輝きは誰にも負けない。誰も勝てない。誰もが経験してほしい、あの人とのシングルを。

でも、なかなかできないだろう。だったらこっちが上に上がって、俺みたいになって藤波辰爾さんと試合するしかない。絶対みんな経験するべきだ。運がいいことに、藤波辰爾さんは生涯現役を言っている。何度だってチャンスがある。みんなでもっともっと、もっともっとプロレス界盛り上げて、強くなろうぜ。

メジャー、インディーなんて関係ない。どこに境目があるんだ。言葉だけだろ、存在しているのは。クダらねえ。全団体でプロレスを盛り上げなかったら、このプロレス村から脱出なんてできねえ。新日本だけじゃない、全日本だけじゃない、NOAHだけじゃない。メジャー、インディー関係ない。すべてが一つにならないと、すべてがプロレスを上げることを考えないと、プロレス村からは出られません。

あぁ、そうだ。いま俺は『WORLD TAG』シリーズ中だから、この調子で優勝しないと藤波辰爾さんにも、獣神サンダー・ライガーさんにも申し訳ない。俺はもう正直ね、(レフェリーの)ライガーさんのことは消してたよ。考えちゃうと、怖くなっちゃうからね」


藤波「自分の気持ちがシングルをやろうっていう発案をしたわけだから。思った以上に、新日ジュニアがやっぱり芯がちょっとしっかりと(している)。新日本プロレス魂が入っているなっていうのは、嬉しいですね。こうやって肌で、身をもって受けてみると。容赦なく、とことん遠慮なく来るっていう。

勘違いしちゃいけないところだけど、みんなジュニアっていうところで動きに目が行っちゃうんだけど、やっぱり芯はリング上の中の相手に向かっての勝負勘っていうか。しっかりと向いているっていうのが、痛みと同時に半分嬉しさもありますね。

どうしてもジュニア同士だと、自分たちの磨き上げた技に走っちゃうけど、でもこうやって寝技であり打撃であり、いつでも自分たちが出せるっていうのを持っているのが確信できたんでね。安心しました、新日ジュニアは健在だって。新日ジュニアは強えーなっていうのが身をもって感じ取れたので、今回はヒロム君を指名して正解だったのかなと思います」

――70歳でシングルを闘い抜いたが?

藤波「ちょっとそのへんがお客さんからすれば無謀といえば無謀だけど。レスラーっていうのは常にリングに上がる以上は無謀とかそういうのはまったくないんだよね。自分も70(歳)っていう気持ちはないし。でも正直なところ、20代、30代の動きはちょっとキツいね(笑)。

自分の記憶を頼りながらやってるけど、リングに上がるっていうのは自分がそこに照準を絞って勝負に挑んでるんだから、これはもう言い訳はなし」

――会場は満員だったが?

藤波「ファンっていうのはいろいろなものに興味をもって見てくれて愛してくれているんだけど、『この試合は見とかなくちゃいけないな』っていうのは、ファンはありがたい部分でこれだけ足を運んでくれたので。とにかくファンの皆さんにプロレスの凄さを見せたいですね」

* * *

 時代とともにプロレスは変化するものでありながら、かつて自身が熱狂したプロレスからの変化に反発する一部の選手・ファンがいる。そんな中で藤波は若い選手と一緒に大会を開催し、ヒロムにも「いまこの時代のプロレスをリスペクトしてくれているところ、そんな藤波辰爾さんが大好き」と感謝された。それでも止まらない声を感じるということだろう。「上の人間にいまの時代のプロレスを否定されたら、なに信じればいいんだよ!?アンタらだけは否定しないでくれ」とヒロムは訴えた。

 選手・ファンの世代間の摩擦の中に、この一戦をヒロムも藤波も位置付けたことが興味深い。摩擦による危機感をヒロムは「じゃないと、この先のプロレスがなくなっちまう」との言い回しで表現する。なぜ摩擦が起きるのか。その一因として藤波は「これはちょっと誤解していた部分もあるけど」と表明し、バックステージにてその中身を補足した。「勘違いしちゃいけないところだけど、みんなジュニアっていうところで動きに目が行っちゃうんだけど、やっぱり芯はリング上の中の相手に向かっての勝負勘」。すなわちプロレスはムーヴの発表会ではなく、試合としての攻防なのだと。そして“試合としての攻防”ができることをヒロムから感じたと。それが藤波の答えだった。

 プロレスに答えはないし、あえて言うなら“支持されたものが答え”でもある奥深い世界だ。その時代の支持を勝ち取ろうと、藤波もヒロムもずっと努力とトレーニングを絶やさない。ヒロムと藤波の闘いを超満員の拍手が包んだ金曜の夜。超満員1350人が「頑張っているみんなを下に下げない」プロレスを堪能した。

(大会結果)DRADITION 2024 DRAGON EXPO 1978 2024年11月22日(金) 後楽園ホール

■DRADITION 2024 DRAGON EXPO 1978
日時:2024年11月22日 金曜日 17:30開場 / 18:30開始
会場:東京都:後楽園ホール 観衆1350人(超満員/主催者発表)
【カクトウログ】ドラディション11・22後楽園 DRAGON EXPO 1978 | プロレス・ボクシング・MMAの情報 カクトウログ

〜第1試合〜 6人タッグマッチ15分1本勝負
倉島信行& 〇MAZADA(フリー) & 田島久丸(フリー)
 7分56秒 胴締めスリーパーホールド
アンディー・ウー(フリー) & ●三州ツバ吉& 鈴木敬喜(新潟プロレス)

〜第2試合〜 6人タッグマッチ 15分1本勝負
越中詩郎(フリー) & ザ・グレートサスケ(みちのくプロレス) & ●高岩竜一(フリー)
 11分01秒 ムササビプレス→片エビ固め
〇AKIRA(MAKAI) & スペル・デルフィン& 田中稔(GLEAT)

〜第3試合〜 タッグマッチ 15分1本勝負
△関本大介(大日本プロレス) & 真霜拳號(2AW)
 15分00秒 時間切れ引き分け
石川修司(フリー) & △田村ハヤト(GLEAT)

〜第4試合〜 タッグマッチ 30分1本勝負
〇船木誠勝(フリー) & LEONA
 15分23秒 ハイブリッドブラスター→体固め
宮原健斗(全日本プロレス)& ●井上凌(全日本プロレス)

〜セミファイナル
スペシャルシングルマッチ 45分1本勝負
●長井満也
 17分30秒 ゴッチ式パイルドライバー→体固め
〇鈴木みのる(フリー)

〜メインイベント〜 60分1本勝負
●藤波辰爾
 15分44秒 TIME BOMB→片エビ固め
〇高橋ヒロム(新日本プロレス)
※スペシャルレフェリー 獣神サンダー・ライガー(新日本プロレス)

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