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新日本プロレス

熱狂した分だけ声援を我慢する!? 136日ぶり有観客再開と歴史的もどかしさ

新日本プロレス

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 新型コロナウイルス感染者数が再拡大する中、政府既定路線の“10日からの5000人以下観客プロスポーツ再開”にしたがい、11日に新日本プロレスが大阪城ホール大会を開催した。新日本は実に136日ぶりの有観客大会となる。

■新日本プロレス NJPW WORLD Special NEW JAPAN CUP 2020決勝戦
日時:7月11日(土)17:00
会場:大阪・大阪城ホール 観衆3,318人(主催者発表)
新日本公式 大会結果

<第1試合>
●上村優也
辻陽太
(9分15秒 ジャーマンスープレックスホールド)
本間朋晃
〇真壁刀義

<第2試合>
●ゲイブリエル・キッド
後藤洋央紀
(9分57秒 ラリアット→片エビ固め)
〇小島聡
天山広吉

<第3試合>
●DOUKI
(7分46秒 RPP→片エビ固め)
〇マスター・ワト

<第4試合>
石森太二
〇高橋裕二郎
(9分20秒  ピンプジュース→片エビ固め)
●BUSHI
SANADA

<第5試合>
金丸義信
〇エル・デスペラード
ザック・セイバーJr.
タイチ
(12分43秒 ピンチェ・ロコ→片エビ固め)
●田口隆祐
永田裕志
飯伏幸太
棚橋弘至

<第6試合>
高橋ヒロム
鷹木信悟
〇内藤哲也
(15分00秒 ジャックナイフ式エビ固め)
SHO
●矢野通
石井智宏

<第7試合/「NEW JAPAN CUP 2020」決勝戦>
〇EVIL
(31分50秒 EVIL→片エビ固め)
●オカダ・カズチカ
※EVILが『NEW JAPAN CUP 2020』初優勝

いきなり極上の新日本プロレス絵巻 NJC制覇EVILがバレットクラブ入り

 大会経過は各種報道の通りだが、オカダ・カズチカの急所にローブローとストンピングを連打したEVILがニュージャパンカップを制覇した。

 ダブルタイトル戦でのロスインゴ対決決定を喜ぶ内藤哲也のグータッチ要求に、なんとEVILはウルフパックサインで応える。次の瞬間、EVILが繰り出したEVILで内藤の帽子が吹っ飛ぶ。これらのシーンを何度も見返したファンも多いだろう。

 こんなに新日本プロレスって絵づくりがうまかったか!? 136日ぶり有観客再開で、いきなり極上の新日本プロレス絵巻を味わった。

 大会当日の日刊スポーツでオカダが「声は出せなくても、皆さんが熱くなる、もどかしくなる試合をしたい」ともコメントしていた。言うならば大会には、歴史的もどかしさもあった。

ここまでやる!! 検温、連絡先記入、チケットセルフもぎり、規制入退場

 まずはスポーツ庁のガイドラインに従ったとされる新しい観戦様式の様子を振り返りたい。「これを運用するのは本当に大変そう」と思っていたが、しっかりとカタチにしていた新日本プロレス。チケット半券裏に連絡先を書かせるブースは多く用意され、記入ペンは使い捨て。検温は入り口により、個別検温もしくはサーモグラフィーとなっていた。

 受付では飛沫防止ビニールを挟む。係員より「まず、裏面を上にしてチケットを机の上に置いてください」と言われ、置くと係員が記入内容をチェック。「では、次に表面を上にして置いてください」と座席チェック。これをクリアすると、「では、半券をちぎって箱に入れてください」とセルフ(係員は観客と非接触)が徹底されながら誘導されていく。なるほど、こういうふうにやるのかぁ。

 ソーシャルディスタンス確保のために時間帯ごとのブロック別規制入場となっていたが、列になっていないときは機転を利かせてゆるやかに運用されていた。退場はブロックごとにアナウンスされた。もっとも、収容人数を絞っていたこともあって混乱もなかった。

ラスト2試合で大声を出す一部観客 場内アナウンスでの注意ナシも問題

 再開でいきなり駆けつける意欲的なファンということもあって、大声禁止などの要領はインプットされていたようだ。大会冒頭VTR段階から拍手による盛り上がりとなる。

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 称えたいところ、がんばれと言いたいところ、といったシーンでは観客は拍手か手拍子をする。これが対戦しているどちらの選手に送られているものかがわからない珍百景ともなる。野次やブーイングもない。拍手の波が要所でやって来るという点では宝塚を彷彿させる。

 たくましきファン。エルボー合戦には通常なら「オーイ」というような声がかかるところも、「パン」と手拍子が発生していた。アプローチが限られることで、観客の反応も進化する。

 観客が叫べないのに小島聡が「いっちゃうぞバカヤロー」と言いそうになったのはネタだったかと思います(笑)。

 「拍手だけではなく観客席ストンピングがプロレスにはある」とも言われていたが、今回の大阪城ホール大会に雛壇設置なし。

 熱狂した分だけ声援を我慢するというパラドックスに陥った観客たち。セミやメインともなると、子供や大人の一部が大声で選手名を叫んだり、エンディングにはそこそこの大きさのブーイングが発生した。

田口「やっぱりハイ、我々は、お客様の前で試合してナンボだということがね、わかりました。皆さんにはホントに“(新日本プロレスからの)お願い”を守っていただいて、大きな声を出さずに、拍手でね、応援していただいて。それでも、やっぱりね、守っていても、やはり声は自然と出てきて…ちょっとね、出てきてましたけども。その声がね、すごくうれしかったですね。そういう声が思わず出てしまうような試合をしていかなければいけないし、していきたいと思います。はい。思わず声が出ちゃったと。大きい声を出させるような仕事をしたいと思います。ありがとうございました」
(新日本公式 バックステージコメント)

久しぶりのプロレス生観戦で興奮するのは分かるけど、せっかくここまでこぎ着けてきたのに、ファンが大きな声上げてまた無観客に逆戻りしたらどうすんの?声出して応援したいなら、お家でテレビ見ながら大声出ししましょう。#CSテレ朝チャンネル でも #njpwworld でも見られるから!
(田畑祐一 @tabatay_5ch)

 大声禁止を伴って再開となったわけであり、発声したファンは論外。一方で、お願いVTRこそあったものの、場内アナウンスで都度の注意をしない運営には疑問が残った。「また無観客に逆戻りしたらどうすんの?」は運営サイドにも問いたいことである。

 新日本における大会予告VTR等で“熱狂した観客が立ち上がる”シーンがよく取り上げられる。これなども、団体の姿勢としてルール(立ち禁止)を遵守させたいのか、盛り上がりは許容なのかわからなくなる例。今回の大声禁止にしても大半のファンは守っているのであるから、「まわりがやってるのだからいいんじゃないの」とならないような取り組みをお願いしたい。

雛壇も特設花道もナシ 収容人数が限られる大会にどこまで費用かける?

 間隔を空けての着席だったため、雛壇設置なしも致し方ないといったところだろう。費用をかけないという点では特設花道がなく、アリーナ床を直接歩行する入場となっていた。

 本来ならば、ビッグマッチは収益もある分、セットにお金がかけられてリピートにつなげられるようにもっていきたいところ。収容人数が限られる大会にどこまで費用かけるかという課題は続きそうだ。

写真が撮りやすく荷物も置ける 座席ソーシャルディスタンスに快適さも

 1時間ごとに消毒を入れる。今回は3時間興行、2度の消毒。ここでは「不要な移動はご遠慮ください」とアナウンスされる徹底ぶり。係員も多く配置されていた。2度目の消毒がちょうどメイン前となったため、少しテンションが下がった。これも悩ましいところ。

 間隔を空けての着席は視界が大きく開けていて、実に観戦しやすい。ボクなんかは写真を撮るので、ふだんは前方ファンの頭がかかることが多いから大助かり。荷物置き場があるという点でも快適だった。歴史的もどかしさの中で、この点には快適さも。

 ともかくも、初回というのは別モノ。足を運んだファンは自身のプロレスファン史に残る体験をしたことは間違いない。



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