フォン・エリック家の再現度が話題に 映画『アイアンクロー』4月5日公開
プロレス界の伝説にして“呪われた一家”と呼ばれたフォン・エリック・ファミリーの実話。映画での公開がいよいよ近づいてきた。当時写真と今回キャストの比較写真、ならびに追加映像が到着。再現を目指した本気度に迫る。
© 2023 House Claw Rights LLC; Claw Film LLC; British Broadcasting Corporation. All Rights Reserved.
記者は13日に試写会にて鑑賞。実話再現ではあるが、映画を見越してカメラをまわしてたんじゃないかというレベルの没入感がある。プロレス界が描かれているが、プロレスの内幕が幅を利かせているわけではない。ヒューマンドラマでありファミリードキュメント。「呪われた一家」なる言い方を少年時代に耳にしたオールドファンは多いだろう。1984年2月10日、デビッド・フォン・エリック(レスラーのフォン・エリック兄弟としては次男)が日本で亡くなるところから、悲劇は始まる。他に類を見ない奇異な展開なのに、いざその環境に身を置くと「こうならざるをえなかった」とも思わせる。ケリーに関してのある事実については知らなかったファンも多いに違いない。ぜひ鑑賞し、プロレス界に存在した伝説のファミリーを噛みしめていただきたい。
ザック・エフロンらキャストが実際のプロレスラー一家フォン・エリック家の姿を再現
“アイアンクロー=鉄の爪”を得意技とした実在のプロレスラー、フリッツ・フォン・エリック。父である彼の教えに従ってプロレスの道を選び、世界王者になることを宿命づけられた兄弟の実話をもとにしている本作は、気鋭の映画スタジオA24が製作・配給を務め、『マーサ、あるいはマーシー・メイ』の鬼才ショーン・ダーキン監督と初タッグ。プロレス界の伝説にして“呪われた一家”と呼ばれたフォン・エリック・ファミリーの実話を、植え付けられた価値観からの解放という今日的なテーマに踏み込んだ感動作に仕上げた。
フォン・エリック家の次男を演じたのは、「ハイスクール・ミュージカル」シリーズで大ブレイクしたザック・エフロン。本作ではこれまでの甘いフェイスは封印し、驚異の肉体改造を披露しているとともに、兄弟のまとめ役である物静かで優しいケビンの誠実さや脆さを表現する繊細な演技に挑戦した。三男デビッド役には、『ザリガニの鳴くところ』、『逆転のトライアングル』などで話題のハリス・ディキンソン。四男ケリー役は、GG賞・エミー賞を席巻し、大ヒットとなった人気ドラマ「一流シェフのファミリーレストラン」で主演を務める、いま大注目の俳優ジェレミー・アレン・ホワイト。父フリッツ・フォン・エリックには、ドラマシリーズ「CSI:マイアミ」やNetflixシリーズ「マインドハンター」などで高い人気を誇るホルト・マッキャラニーが起用されている。このたび解禁となったのは、フォン・エリック一家を演じたキャストたちが実際の彼らの姿を再現した特別写真。試合着でポーズをきめる兄弟たちや、亡きデビッドの異名“テキサスの黄色いバラ”にちなんだ黄色いバラを捧げるケビンの様子を収めたものなど、当時の貴重な写真と比較することで、本作の圧倒的な“再現度”を楽しむことができる。
MJFことマクスウェル・ジェイコブ・フリードマンがEPを、チャボ・ゲレロ・ジュニアがコーディネーターを務める
また、特別写真解禁にあわせて、劇中に登場する往年のプロレスラーたちを捉えた特別映像も到着!劇中ではフォン・エリック家のみならず、リック・フレアーやハリー・レイス、ブルーザー・ブロディなど、当時大活躍した名プロレスラーの容姿や着こなし、言動を完全再現している。彼らによる本格的なプロレスシーンは、米プロレス団体AEWの現役王者であるMJFことマクスウェル・ジェイコブ・フリードマンがエグゼクティブ・プロデューサーを、元WWE王者のチャボ・ゲレロ・ジュニアがプロレスシーンコーディネーターを務めたことによるもので、それぞれがレスラー役として劇中にも出演している。
さらに、この忠実な再現は人物だけにとどまらない。本作では、ダラスの名物プロレス会場スポルタトリアムを忠実に再現したセットが使用された。観客を前にしたプロレスシーンの撮影では、実際に当時の試合を子どもの頃に見て育ったプロレスファンたちがエキストラとして参加している。コーディネーターのチャボ・ゲレロ・ジュニアは、撮影をこのように振り返る。「多くのエキストラがワールドクラス・チャンピオンシップ・レスリング(WCCW)を思い出した。昔見たシーンだったんだ。撮影が終わったあと、みんな俺にこう言った『子どものころ見たのと同じだった』ってね」。
(ストーリー)ザック・エフロン主演×A24最新作『アイアンクロー』
ザック・エフロン主演×A24最新作『アイアンクロー』は4月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開!
<ストーリー>
1980年初頭、プロレス界に歴史を刻んだ“鉄の爪”フォン・エリック一家。父フリッツ(ホルト・マッキャラニー)は元AWA世界ヘビー級王者。そんな父親に育てられた息子の次男ケビン(ザック・エフロン)、三男デビッド(ハリス・ディキンソン)、四男ケリー(ジェレミー・アレン・ホワイト)、五男マイク(スタンリー・シモンズ)ら兄弟は、父の教えに従いレスラーとしてデビュー、“プロレス界の頂点”を目指す。デビッドが世界ヘビー級王座戦へ指名を受けた直後、日本でのプロレスツアー中に急死する。さらにフォン・エリック家はここから悲劇に見舞われる。すでに幼い頃に長男ジャックJr.を亡くしており、いつしか「呪われた一家」と呼ばれるようになったその真実と、ケビンの数奇な運命とは――
監督・脚本:ショーン・ダーキン
出演:ザック・エフロン、ジェレミー・アレン・ホワイト、ハリス・ディキンソン、モーラ・ティアニー、スタンリー・シモンズ、ホルト・マッキャラニー、リリー・ジェームズ
2023年/アメリカ/英語/132分/カラー・モノクロ/ビスタ/原題:THE IRON CLAW/字幕翻訳:稲田嵯裕里/G
提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ 公式サイト:ironclaw.jp 公式X(旧Twitter):@IronclawJP