WWEアウト、RIZIN強化、新日本接近 ABEMA格闘コンテンツの次なる展開
期待を抱かせる転換期だ。ABEMAを取り巻く格闘コンテンツの勢力図が変わり始めている。
9月末、ABEMAでのWWE放映終了。6月末、新日本プロレス大株主にサイバーエージェント
29日、新日本プロレス棚橋弘至社長がスマホサイトで「長年お世話になった中野坂上の事務所で働く、最後の日。午前中、ブシロードの木谷会長のもとへ、ご挨拶に伺いました」とつづった。
【第142回】
社長日記『棚橋弘至の晴れのち晴れ』
本日は「感謝のキモチ」!!「長年お世話になった中野坂上の事務所で働く、最後の日。午前中、ブシロードの木谷会長のもとへ、ご挨拶に伺いました」
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— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) August 29, 2026
中野坂上の事務所は、これまでの新日本の親会社であるブシロードが入っているビル。6月末、新日本プロレスはテレビ朝日の連結子会社となり、サイバーエージェントも大株主として加わった。株式譲渡から2か月、オフィスも移転となり、シン・新日本プロレスへの歩みを始めたかのようだ。
サイバーエージェント傘下のABEMAの最近の動きで言えば、9月からRIZINとの連係を強化する一方、約3年間にわたって配信してきたWWEは9月末でABEMAでの放映を終了する。
WWEアウト、RIZIN強化、新日本接近。そう見ると、ABEMAを軸とした格闘コンテンツに大きな転換期が訪れているようにも映る。
ただし、新日本プロレスについては、現時点でABEMAによる本格的な配信・番組展開が決定しているわけではない。サイバーエージェントが新日本の株主となったことと、ABEMAでの具体的な展開は切り分けて考える必要がある。それでも、WWEに割かれてきた枠や制作パワーは小さくない。今後への期待を抱かせる材料が揃ってきたことは間違いない。
大会を配信するだけにとどまらない。ABEMAにある、格闘コンテンツを煽るという得意手法
ABEMAは9月からRIZINの公式メディアパートナーとなり、PPVによる大会中継だけでなく、大会前後のオリジナル番組なども展開する。ここで注目したいのは、ABEMAの価値が「試合を配信すること」だけではないという点だ。選手をどう見せるか。カードにどんな意味を持たせるか。大会前にどれだけ視聴者の期待値を高められるか。ABEMAには、格闘コンテンツを配信するだけではなく煽るという得意手法がある。
格闘コンテンツにおいて、試合当日の映像だけでなく、その前段階から視聴者の感情を動かすことは重要だ。RIZINがABEMAとの関係を強化する背景には、こうした「配信+番組制作」の力への評価もある。
ここから先は「可能性」の話だ。新日本のABEMAでの具体的な展開が決まったわけではない。だが、サイバーエージェントが持つ動画配信、番組制作、デジタルマーケティングの力と、新日本が持つ選手、試合、歴史、ブランドという巨大なIPが交われば、どんなコンテンツが生まれるのか。ファンとして期待するのは自然だろう。
過去のプロレスにおけるABEMA PPV実績。対立構造や物語をコンテンツ化できる可能性
加えて面白いのは、「ABEMAは新日本をこれから本格的に扱う可能性がある」だけではなく、過去に新日本の大型興行をPPVで扱った実績があるということ。2022年・2023年に「新日本vs.ノア」というストーリー性の強いコンテンツをABEMA PPVで独占生中継している。ABEMAは試合を配信するだけでなく、対立構造や物語をコンテンツ化できる可能性がある。

2023年2月21日のノア東京ドーム大会、武藤敬司引退興行もABEMA PPVで独占生中継された。当時の新日本勢を含むカード「オカダ・カズチカvs.清宮海斗」「高橋ヒロムvs.AMAKUSA」「武藤敬司vs.内藤哲也」がラインナップ。ABEMAは単に当日の試合をPPV配信しただけではなく、大会直前には『有田哲平の引退TV』で武藤を特集するなどの番組展開も行っていた。
昨今の変化を単なる配信ラインアップの入れ替えとして見るのではなく、日本の格闘コンテンツをABEMAというメディアがどう育てていくのか、という視点で見ると興味深い。その次の一手に、ファンの期待が集まる。

















