笹村あやめが女版『変態』襲名 佐藤光留「実はよく見てるよ」28分超熱闘
10日、笹村あやめプロデュース興行『ささむー 30祭~空と海と大地と祝われし姫君~』2AWスクエア大会が開催された。
プロレス界では変態は誉め言葉。遠征組含めて2AWスクエア150人札止め、父親も初観戦
2021年にTAKAみちのくが「KAIENTAIDOJO時代から沢山の女子レスラーを育てて来たがこの20年近い歴史の中で良くできたレスラートップクラスは笹村あやめと断言できる」とブログに記した。笹村は柔道出身であり、こうした記載からは素養と努力で笹村が現在のレスラーとしての地位を確立しているとも感じられる。それが間違いというわけではけっしてない。
一方で、観客の熱を呼ぶ笹村には変態としての背景があることも見逃せない。それはプロレスへの熱と言い換えてもいいだろう。明かされたひとつの発端は3月9日の佐藤光留vs.笹村あやめトークバトルとなる。
同記事からの再掲となるが、笹村は「学生プロレスに3か月くらいいた。リングネームは『道端センズリカ(みちばたせんずりか)』です(イベント参加者笑い)。いちおう『道端センズリカ』と『マンガクサ子』で選ばせていただいて、さすがにマンガクサ子は“臭いかな”と思われたら嫌だなと」。光留「変わんねぇよ!!」。学生プロレスからプロレスに興味を持ち、笹村はノアのディファ有明大会を観戦。当時は鈴木軍が参戦しており、KAIENTAI DOJOのポスター(ポスターにバンビ、ERINA)を見かけると「学プロと同じく男子も女子も上がれるリング」と気づき入門への流れとなる。光留「こんなやばいやつだとは思わなかった。まだまだいるねぇ」。なお、大学自体には保育士になるために短大に入ったが、別の道を歩んだことになる。一番の憧れは中島安里紗(2024年8月に引退)。
光留もまた「マイクパフォーマンスがしたかった」という理由で中学の生徒会長となっている。その経験がプロレスラーへの道を加速させた。
10日には、笹村と光留が試合で初対決となる。男子団体に所属する女子だからこそ、笹村は男子攻略の引き出しを全開にした。技とフェイントと口喧嘩で光留を翻弄する。にぎやかでユーモアもある笹村の試合だが、それでいて命を懸けるような芯の強さが浮き彫りになる。30分近く、光留から、あるいは観客から査定されているかのようでもあった。
光留からマイクで「もうとっくに婚期を過ぎているのに」とからかわれたが、いい意味(?)で婚期を遠ざけるような壮絶さがあった。光留が「千葉の人間には、変態といえば大和ヒロシではなく笹村あやめと言われるような、そういう変態になったときにまたやろう」とすると、笹村も「私の変態度をパワーアップして、もう一度佐藤光留と向かい合いたい」と呼応。笹村が女版『変態』襲名したとも言えた。
配信なしの試合を目撃したファンは150人、2AWスクエアは遠征組も飲み込み札止め。こういった節目の笹村・光留はとんでもない試合をするのだ。観客の方も嗅覚を持っている変態たちが集まったわけだが、笹村の父親も娘の試合を初観戦となった。自身の娘を変態とは認めないだろうが、こうした熱に娘がこだわり、つくり出そうとしていることは十分に理解したのではなかろうか。もちろんプロレス界では『変態』は誉め言葉なんである。
(メイン試合経過)笹村あやめプロデュース興行『ささむー 30祭~空と海と大地と祝われし姫君~』8月10日(日)2AWスクエア
■笹村あやめプロデュース興行『ささむー 30祭~空と海と大地と祝われし姫君~』
日時:8月10日(日)12:00 開場11:30
会場:千葉・2AWスクエア 観衆150人(札止め/主催者発表)
[全試合結果はこちら]
<第6試合/シングルマッチ>
〇佐藤光留
28分39秒、腕ひしぎ十字固め→ギブアップ
●笹村あやめ
(試合経過)
ゴングが鳴って向き合うが、お互いに距離を取って安易には組まない。すると光留が左足で笹村の左足にインロー。意を決したように組み合うと、笹村は光留の左腕を極める。力比べに戻るが再度、笹村は光留の左腕を極めていく。スタンドで力比べに移行するが、さすがに光留優勢。


その光留の押さえてくる手を、巧みにマットにつけさせた笹村。両足で踏みつけると光留は悲鳴だ。笹村はニヤリ。感情的になった光留をロープワークに誘った笹村は光留のラリアットを空振りさせ、バランスをくずした光留の手を再び踏みつけ。さらに笹村は、光留こだわりの裸足の甲を踏みつけ、ロープ際に横にした光留ボディにフットスタンプと畳みかける。


ここで光留が場外にエスケープすると、笹村は「逃げるの?」と挑発だ。反発した光留がリングインすると、笹村はお約束の「場外に来い」。追いかけようとするも、光留は笹村を見失う。するとリング下から「リング下に来てみろ」の声。「コノヤロー」と光留はなぜかコスチュームをずらしてアンダーパンツを露出、リング下へ。

リング下から物音がするだけの会場となり、2AWセコンド勢が「なんかパンパンってやってる、パンパンってやってる」と不穏な連呼だ。2人がリング下から出てくると、光留が紙テープの山に巻かれて身動き取れず。この光留に、笹村は場外カメラ台からダイビングフットスタンプ。会心の一発に笹村は得意げにガッツポーズだ。


リングに戻って笹村が蹴り、しかし光留はロープ際でキャッチして足首を極める。さらには笹村の左腕をロープに絡めて痛めつける。再びの場外で光留がペットボトルの水ぶっかけ、椅子攻撃とラッシュした。リングに戻ると光留が笹村の左腕に蹴り。前蹴り合戦。食らった笹村がニヤリ。

ときおりエルボーなどで返す笹村だったが、光留の前後からのサッカーボールキックを被弾。さらに左腕を極められる笹村だったが、意地のスープレックスで返す。光留に前蹴り、低空ドロップキック。光留は脇固めへ。

攻防を経て張り手合戦。その中の一発がバッシーンと格段の音、観客はどよめき、コーナーにノックアウト状態となったはずの笹村もニヤリ。特にここでのニヤリは「こんなに入れてくるなんて」と顔に書いているかのような、バカ負けしたような感情が出た。

なおもつづく張り手合戦、ダウンぎみの笹村に対して、光留は観客に笹村へのコールを煽る。笹村は意を決したように光留の髪をつかんでおいての左右ビンタ。さらにブレーンバスターを成功させた笹村が雄たけびだ。


コーナー上での張り手攻防を経て宙吊り光留に笹村ダイビングフットスタンプ→さらにリング上の光留にダイビングフットスタンプ。笹村タイガースープレックス→ダイビングフットスタンプ。ところが光留はその足をキャッチするようにアンクルホールド。

エスケープした笹村に、光留はキックのバリエーション。笹村は首投げの要領からの丸め込みカウント2。光留は蹴りを挟んでバックドロップから腕ひしぎ逆十字を極める。じわじわとロープに近づこうとする笹村だったが、光留はその足まで固める捕獲式腕ひしぎ十字固めへと移行した。たまらず笹村はギブアップした。


(試合後コメント)笹村あやめプロデュース興行『ささむー 30祭~空と海と大地と祝われし姫君~』8月10日(日)2AWスクエア
(マイク)

光留「おい、30歳。初めて会ったのは、まだあなたが練習生の頃でした。誰に憧れてこの業界に入ったんだって聞いたら、『十嶋くにお』だっつうから、『十嶋くにおのドロップキックに憧れた』って、まだデビューもしてねえやつがどんな論破しても食い下がって来るんで、また千葉は変態を生み出したのかなと思って嬉しかったけど、どうせすぐ辞めるだろうと思ってた。こんだけたくさんの笹村ファンを集めて、佐藤光留の応援なんか何人かしかいねぇ(観客が急に「ヒカル~!!」)。ヨシタツ以下(観客爆笑)。でもキャリアも男女もひっくり返そうとして、お前が、もうとっくに婚期を過ぎているのに(観客「いやいやいや」)、少子高齢化社会を支えていくなんて。でもプロレスに一生懸命になってるの、実はよく見てるよ。だからこれだけは言っとくよ。佐藤光留に勝とうと思ったら、佐藤光留よりも大きな“性欲”を持ってこい(観客一瞬の?のあとに笑い)。千葉の人間には、変態といえば大和ヒロシではなく笹村あやめと言われるような、そういう変態になったときにまたやろう(拍手)」
笹村「光留さん、ありがとうございました。私の記憶で初めてお話ししたときに言われた言葉は『今まで送られてきたDMの中で一番やばいやつってどれ?』って聞かれました。初めて聞かれたのでびっくりしました(観客「なんだったんだろう?」)」
※カクトウログ註:ちなみに正解は『鼻の穴に指を突っ込んだ写真を買い取らせてください』。
笹村「負けてしまったけど、こんなにボコボコにしてくれる人、30歳記念の大会で選んでよかったなと思います(拍手)。またやろうって言ってくれたので、私の変態度をパワーアップして、もう一度佐藤光留と向かい合いたいと思います。ありがとうございました。今日は初めて私のお父さんが見に来てくれたんですけど(拍手)でもちょっと思ったのは、相手間違えたなーと思って。ちょっと後悔してる。でも自慢の娘でしょ? どうですか?(拍手) ということで、移動ある方(選手・関係者)もいるので、早めに今日参戦いただいた方、リングに上がっていただいて記念撮影をやりたいと思います。なので光留さん戻ってきて~。かっこよく帰ったけど戻ってきて~」
(光留が戻る、選手が集合する)
笹村「私がこの2AWの大会を買ってでもみなさんに伝えたかった諦めない気持ち、やればできるという気持ち、自分の行動を自信に変えてこれからも突き進んでいきますので、みなさんも何も諦めないで、人生をね…(選手たちはなぜか笹村から距離を置いたまま)嫌われてるじゃん私。ということで、これからもプロレスを楽しんで、人生も楽しんでたくさん笑って生きていってください!!」
記念撮影へ。

笹村「ということで、笹村あやめ30歳、これからも31歳、32歳でもがんばってまいりますので、応援よろしくお願いします。今日はありがとうございました」



(バックステージコメント)
笹村「ささむー30祭興行、無事…佐藤光留に玉砕はしましたけど、でも得たものも多いし、初めてお父さんも見に来てくれて、いろんな人、少しずつ増えていって、笹村の大会、そして千葉の会場に遊びに来てくれる人が増えたので、これからも“男子団体に所属の女子”として、強みを発揮していって、変態度を上げて、もう一度佐藤光留の前に立ちたいと思います。はい、あと4日で30歳ですけど、婚期逃したって言われたけど、まだ、ま~一応諦めてはないんで。はい、これからも女性としてもプロレスラーとしても2AWの一員としても頑張っていきたいと思います。ありがとうございました」

室内と思えないぐらい、途中で熱くなってきました。
笹村「空間が広いので冷えない(クーラーが追いつかない)んですよね」
肌を合わせたのは初めてですか。
笹村「初めてです。タッグとかでもなくて。なんならプロレスもそんなに見ていない。YMZ、自分あんまり出てないので、光留さんも知らなくて、トークイベントで『あ、おもろい』と思って」
笹村選手も食らいつきました。
笹村「そう、食らいつこうと思って、やっぱりただでやっても勝てないし、身長差、体重差、性別の壁があることは、この団体に入ってから8年半、痛感してきたので、絶対に食らいつこうと思いました」
お父さんに見せる試合じゃなかったというのは?
笹村「あんなボコボコに蹴られる試合。初めて見る試合が娘ボコボコってちょっとかわいそうかなと思って(笑)。でも帰り握手したら、ちょっと泣いてたんで。認めてくれたらいいなあとは思いました。めちゃめちゃ楽しかったですね」















