大岩陵平の“2年前”評価発掘 小川良成「本当だったら清宮よりいい選手に」
新日本プロレス「G1 CLIMAX 36」(16日、両国国技館)優勝決定戦。デビューから4年11か月の大岩陵平が上村優也を破り、G1初優勝を成し遂げた。その反響は、当夜にとどまることがない。ビッグロックはどこから来たのか。
国内ノア武者修行時点で「清宮(海斗)とそんなに変わらない。あとは経験だけ」
■新日本プロレス 新日カードランブル presents G1 CLIMAX 36(決勝戦)
日時:8月16日(日)15:00
会場:東京・両国国技館 観衆7260人(主催者発表)
[大会リアルタイム速報]
<第8試合/「G1 CLIMAX 36」優勝決定戦>
〇大岩陵平
35分10秒 ビッグロック
●上村優也
※大岩がG1初制覇
2023年9月3日から2024年9月14日まで(約1年間)ノアで“国内武者修行”を行った大岩には、すでに「清宮海斗よりいい選手になる」という評価があった。いま振り返れば、今回の結果を予感させる言葉が発せられていた。ノアへと送り出された男は、他団体のリングで経験を積みながら、自分のプロレスを探しつづけた。
2024年9月1日、エディオンアリーナ大阪第1競技場大会。第3試合では佐々木憂流迦、ジャック・モリス、大和田侑組と、タイタス・アレクサンダー、大岩陵平、藤村加偉組が対戦した。この日のノア大会はABEMAで無料配信され、解説席には小川良成がいた。
小川はこの時期、引退を表明した直後。それでも解説席に座り、「今後はコーチみたいなことをして。需要があれば解説に呼んでください」と語っていた。その小川が、大岩のポテンシャルについて踏み込む。
「大岩はもう新日本からうちに来たときから1年くらいずっと教えてたんで」さらに技術面について、「いまの段階で1年ぐらいしか教えてないんですけど、技術的なものはもう清宮とそんなに変わらないぐらいなところまでいってると思う。あとは経験だけだと思うんで」と評価した。
大岩がノアで身につけていたものについて、「基礎の部分なのか」と問われると、小川は「そうですね」と答えたうえで、「だいぶ新日本とは違うんで。その、ぜんぜん違うことをあえて教えました」と明かしている。そして、さらに評価を一段引き上げる。「まだまだなんですけど、本当だったら、あと1、2年ぐらい教えたらもう、確実に清宮よりいい選手になると思う」。
[ノア修業時代に清宮との対決も複数回にわたり経験した]
6 #noah_ghc #MONDAYMAGIC 新宿
◯清宮海斗vs.●大岩陵平
腕絡みで沸かせる両者。張り手合戦も表情がいい。清宮勝ち名乗り!! pic.twitter.com/csKw63yRiL
— KAKUTOLOG📶プロレス/ボクシング/MMA/格闘技カクトウログ (@kakutolog) December 18, 2023
ただし、大岩には新日本へ帰るという使命があった。「彼も新日本に帰らなきゃいけないですからね」そう確認されると、小川も「そうですね」と応じた。
あれから約2年。大岩はノアでの経験を経て新日本へ戻り、今度は新日本のリングで自分自身のプロレスを磨いてきた。武者修行で得たものをそのまま持ち帰ったわけではない。そこで得た技術や考え方を、自らのスタイルとして消化する時間があった。そして、いつしか「自分はこう闘う」という信念が、レスラーとしての輪郭を形づくっていった。
実際に、G1決勝一夜明け会見でこのようなコメントが出ている。
大岩「ノアではその一点攻めはもちろん教えてもらってたんですけど、凱旋してからもずっと使ってて、でもヘッドロックがこうやってフィニッシュ取れるぐらいまで精度上がったのはこの『G1』、特にSANADA戦だったかな。その前にYuto-Iceと闘って、あっちの土俵で闘って負けてしまって、一回考え直して、テクニックもっと真剣に取り組まないとなと思って、スタイルしっかり見直して闘ったのがYuto-Iceの次のSANADA戦。そこからその試合は本当にヘッドロックだけでがんばってみようと思ってやってたんですけど、それでフィニッシュ取ってからすごい自信になって、それでカラム戦とかは腕攻めて、でヘッドロックも使ってっていう2点攻めもちょっとずつ精度上がってきて、だからノアでは基礎を学んで、そこから成長させたのは自分自身だと思っています」。
ノアとの違いについてはこのような説明もあった。観る側の緊張感がここから生まれてきているのかとも思わされる。
大岩「言葉で……難しいですね。自分がよく感じるのは『間』が違うなっていうのは思いますね。相手が、例えば新日本プロレスの選手って自分が攻撃したら、相手と触れてない時間が多いと思うんですよ。でもノアの選手は自分攻撃して、その間も腕を持ってたり、ヘッドロックでずっと抑えてたりっていう、常に相手と密着してる状態が多いので、それでいつ動かれてもこっちも対応できるっていうのはあると思います」。
2年前の小川の言葉を単なる「予言」とするのは、もちろん違うだろう。レスラーはリングでの経験によって変わる。まして大岩は、ノアという新日本とは異なる環境で闘い、そこで自分のプロレスを模索した。ただ、現在の大岩を見れば、小川が「技術的なものは清宮とそんなに変わらない」「あとは経験だけ」と評した意味は、あらためて重く響く。
小川が期待した「あと1、2年」が過ぎ、大岩はG1という新日本最大級の舞台で頂点に立った。“小川の言葉”の答えを、大岩は両国国技館のG1決勝という舞台で、自らの揺るぎない闘いによって示したのである。

















